平成30年8月23日〜24日の2日間にわたり、全道各地より34名の方が参加され軽費老人ホーム・ケアハウス研修会が開催されました。

【1日目】
①基調報告『北海道の老人福祉施設の現状と今後の展望』
 北海道老人福祉施設協議会  副会長  加藤俊彦氏
 2019〜21年における介護分野等の経済財政運営と改革の基本方針に関する提案と平成31年度予算概要要求・税制改正についての説明があった。
軽度要介護高齢者については、本来養護老人ホームに入所すべき高齢者が養護老人ホームに入所できず、空床が生じている一方で、無料低額宿泊所等の運営基盤がぜい弱な住まいでの居住を強いられている場合がある。養護老人ホームや軽費老人ホームといった既存の社会資源を有効に活用することにより、無駄のない社会保障財政の運用のあり方を講ずるべきである。
また、比較的所得の低い高齢者でも生活がしやすくなるよう、プライバシーに配慮した形で従来型多床室特養の整備についても引き続き対応を図っていくべきである。
施設の運用の実態を踏まえれば、むしろ基準配置を手厚く配置している場合には体制加算を講じることとしてはどうか。併せて、エビデンスに基づき介護サービスにおける事業の人員配置、併設事業との職員配置の融通、常勤・専従要件配置が必要な加算要件等の緩和、見直しと併せて医療系サービスとの人員配置の融和も検討していく必要があるが、例えば記録業務等の効率化により捻出できた時間については、利用者等へのケアや関わりを手厚くするための時間と考えるべきであり、単に業務が効率化できたからといって、給付費自体を適正化すべきではない。また、新たな担い手の確保の観点から、入門的研修及び生活援助従事者研修が創設され運用が進められる。
60歳以上の方にもこれら研修を通じ、関わっていただける業務については、担い手になっていただける仕組みづくりと各種助成制度の更なる充実が不可欠であるし、地域医療介護総合確保基金については、施設整備等の重要性もさることながら、介護人材確保・育成に資する活用方針を一層明確に打ち出すべきである。養護老人ホーム及び軽費老人ホームについて、措置費、事務費補助等の単価設定における消費税増税分を見込んだ改定とするよう、各自治体等への徹底を行うこととされている。
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②行政説明『地域共生社会における軽費老人ホーム・ケアハウスの在り方と役割』
 厚生労働省 老健局高齢者支援課  予算係長  田中孝平氏
 介護保険制度は、制度創設以来16年を経過し、65歳以上の被保険者が1.6倍に増加するなかで、サービス利用者は約3.3倍に増加。高齢者の介護に無くてはならないものとして定着・発展している。
高齢化が進展する中で、地域包括ケアシステムを推進するとともに、制度の持続可能性を維持するためには、保険者が地域の課題を分析して、高齢者がその有する能力に応じた自立した生活を送っていただくための取り組みを進める必要がある。
また、今後、増加は見込まれる慢性期の医療・介護ニーズへの対応のため、「日常的な医学管理が必要な重介護者の受け入れ」や「看取り・ターミナル」等の機能と「生活施設」としての機能を兼ね備えた、新たな介護保険施設として介護医療院が創設された。
平成30年8月より世代間・世代内の公平性を確保しつつ、制度の持続可能性を高める観点から、年金収入等340万円以上の高所得層を3割負担としている。
平成30年度介護報酬改定においては、+0.54%の介護報酬改定率となっており、新たな概要として生活援助の担い手の拡大、介護ロボットの活用の促進、定期巡回型サービスのオペレーターの専従要件の緩和、ICTを活用したリハビリテーション会議への参加、地域密着型サービスの運営推進会議等の開催方法・頻度の見直しがあった。
地域包括ケアシステム時代における新たな役割として、養護老人ホーム・軽費老人ホームには、これまで培った入所者への支援の専門性を活かし、地域で暮らす困難な生活課題を抱える高齢者に対しても支援の目を向けることが求められている。
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③グループワーク『軽費老人ホーム・ケアハウスの今後について』
 北海道老人福祉施設協議会 軽費老人ホーム・ケアハウス合同検討委員会 委員
ここでは、4名1グループとなり、8班に分かれてグループワークを行いました。
研修前に提出したテーマからグループ毎にテーマを選出し、80分で職種における現在の悩みや問題点を話し合いました。
選出されたテーマは、「地域と繋がる方法や活動内容について」、「医療機関、他施設、他事業所との連携について」、「入居者間のトラブル対応について」など多くの悩みや取組み方法について意見交換が行われました。
なかでも、「軽費・ケアハウスで生活出来る限界とは」、「退居のタイミングについて」は多くのグループで取り上げられていました。施設のハード面や職員の質、施設の方針等によって一概には言えないが、食事を自力摂取することが出来ない、常時車椅子が必要な状態、ベッドから車椅子への移乗介助が必要、認知症により他者へ迷惑をかける行為や外出して戻れなくなる、夜間帯は宿直者のみであるため夜間帯の支援が必要になった場合、目安として要介護3レベルになると特養などの施設を紹介するようにしているなどの意見が聞かれた。退居の問題は施設側だけではなく、本人や家族の気持ちも大切であるため、いきなり退居について説明するのではなく、入居時にアセスメントシート(全軽協北海道版)を活用し、定期的に更新しながら家族へ介護レベルの現状をお伝えし、退居のタイミングについてご理解(心の準備)頂くようにしているなどの実践報告もなされていた。
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【2日目】
④演習『持ち味カードを使って職場活性化(チームワーク)を考える』
 社会保険労務士事務所テラス  所長  倉 雅彦氏
自己理解と他者を理解するために「持ち味カード」を活用し、和やかな雰囲気で演習を通じながらチームワークの大切さ、自分と仲間の新たな持ち味、仲間を認めたり、仲間に認められてどのような気持ちになったかなど、互いに認め尊重し合い、働く喜びに満ち溢れる職場づくりをしていけるよう、ぜひ職場でも取り組んで頂きたいと感じる内容でした。
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【広報委員のひとり言】
広報委員としての活動を通じ、今回初めて「軽費老人ホーム・ケアハウス」の研修に参加させて頂きました。特養で勤務する私は、普段なら参加する機会のない研修であり、グループワークでの発表を聞くことで軽費老人ホーム・ケアハウスで勤務されている方々の悩みや問題点を知ることができ、地域包括ケアシステムを構築していくためにも多職種、多種別を理解し、地域のニーズに沿った対応を進める上でとても貴重な時間を過ごさせて頂きました。

広報委員  田中