8月30日から開催された第37回老人福祉施設研究発表会の、各分科会ごとの優秀発表者の、表彰式の模様を報告します。
受賞者各審査員






 =第1分科会=

『デイサービスに必要な生活行為向上リハビリテーション』
鷹栖町デイサービスセンターはぴねす
理学療法士 大矢 敏之 様
講 評 : 北海道デイサービスセンター協議会 会長  西川 雅浩  様

はぴねす大矢氏2
デイサービスの中でICFの心身機能に対する訓練といった切り口ではなく、活動参加に視点を置いた生活行為向上のためのリハビリテーションとして、利用者と一緒にパークゴルフ場を作る作業活動を行った。
一見関係なさそうな中、パークゴルフ場の建設と入浴との共通項目を抽出し、リハビリメニューとして、これらの建設活動をADL改善に繋げるという取り組みは、デイサービスの他のメニューにおいても、どの様な日常生活の活動に繋がるかを考えて体系化できるかを示しており、今後はその効果の検証と結果について期待したい処である。


=第2分科会=


『ご利用者様の生活の質の改善 ~元気になった私が外出で得た事~』
特別養護老人ホーム 女満別ドリーム苑
介護リーダー 佐藤 元 様
講 評 : 北海道老人福祉施設協議会 副会長  波潟 幸敏 様

ドリーム苑佐藤氏2
施設に入居後も利用者に元気を取り戻して以前の様に暮らしたいといったニーズに向き合い、施設長を先頭に他職種が一丸となって自立支援介護を提供して一定の成果を上げた事に感服した。
特に秀でた点として、入居当初からかなり精度の高いケアプランを立案し、3か月ごとのPDCAサイクルを展開。8か月後には要介護度が5から3まで改善したスピード感。そして各領域に係るケアの理念や方向性を職員全員が共有一致された中、利用者中心の見事なケアが実践されているチーム力。そして主に施設で実践されている自立支援介護を、在宅の中重度化に備えるためノウハウや考え方をPR等広報活動で広めている点が将来性に優れている、以上の理由より満場一致で優秀賞としたところである。


=第3分科会=

『汚名返上!!~介護職員から始める個別排泄コントロール~』
特別養護老人ホーム かおる園
介護職員 仲村 悠希 様
講 評 : 北海道老人福祉施設協議会 副会長  加藤 敏彦 様

かおる園仲村氏2
“下剤ゼロ”を目指すという分かり易い目標を立て、水分や食事、下剤の使用料等を綿密な資料を基にプランを立案。介護士、看護師、栄養士、医者そして家族を交え、科学的根拠のもと3か月ごとのPDCAサイクルにより取り組んだ結果、どう変化し改善していったかについての内容を高く評価した。
今後の課題としては、現在も継続的に取り組んでいる処から、QOL向上の視点より、今回改善を目標に提供した例えば玄米が、その利用者にとってそれ自体の味や食感といった好き嫌いについて確認了解でき、またそれ以外のものも個々の嗜好にも考慮したものが提供できたかという点である。さらに状態の改善がみられた利用者が、今後どういったQOLを求められるのか、それにどう応えられたか、という所
                まで踏み込んでいく事も、ぜひ期待したい処である。

=第4分科会=

『最後まで特養で看取るということ ~苑内葬儀という選択肢~』
特別養護老人ホーム コスモス苑
生活相談員 新井 元規 様
講 評 : 北海道老人福祉施設協議会 研修委員長  川邊 弘美 様

コスモス苑新井氏2苑内葬儀は今後特養に求められていくものと思われるが、その声に応えて行こうという姿勢、本当に介護を超えて更にその先まで施設全体で取り組んている体制について、非常に分かり易くまとめられた発表内容で、審査員の評価も高かった。
当分科会では4つの看取り介護を発表された。うち札幌市が2施設あり、4年前と2年前から始めたとの事。札幌市は200万都市で病院も多い処から今まで看取り介護をあまり多くは聞かれなかったが、最近では苑内葬儀までやらねばならない処まで来ていると感じた処である。平成18年から看取りはあったが札幌市以外でもアンケート等を実施しニーズの把握と対応について取り組みが方々に広がっていっている事も今後に期待できる事と思われた。


= 閉  会  式 =

閉会のあいさつを、北海道老人福祉施設協議会 副会長 加藤 敏彦 様より頂きました。

加藤副会長2
今回の発表内容について、各分科会の審査委員からお話を伺った。結果表を見ると、どれも2位以下の差がほとんど1点差と僅差であり、内容としてはどれも遜色ないものであった。
また今回の講演の内容にも触れ、施設の中では利用者との関わりを、タイトな業務の中で見出すことが大変難しいが、例えば「これからお話ししましょう。」と考えるのではなく、何かを利用者と一緒に行う時に、時間と空間を共有している中でお話をする、といった視点を変えて考えていく事が有効かつ双方のコミュニケーションに繋がる事かと思われると述べられた。


今回は180名を超える方が参加頂けた。来年は全国老施協主催の研究発表大会が札幌市で開催される。全国から2,000人以上の方が北海道に来て発表される。ぜひみなさんも地元開催の有利を活かして、たくさんの発表を出して頂き、全道老施協のみなさんの力を全国に示して行きたいと思うので、各位協力をお願いし閉会のあいさつとされ、会場も大きな拍手で応えられてました。
今回参加されましたすべての皆さま方、本当に2日間お疲れさまでした。

広報委員のひとりごと

今年も2日間、大勢の方々が全道から集い開催された本研究発表会。毎年様々な切り口の取り組みを発表され、聞くだけで参考になることがたくさんあった。確かなことは、たとえ最初は主観的な仮説であったにせよ、それを客観的な視点で科学的に検証し実践することで、確実に効果を実感でき、周りへの説得力も高まる事である。どんどん進化する発表の内容に、期待と尊敬の念を抱いた。

 広報委員 谷 越