さて、後半は道老施協 波潟 研修委員長、川邊 副委員長の進行のもと、2年前に実施した全道大会で優秀賞を受賞した3施設と、香川県で開催された全国大会で奨励賞を受賞した1施設による発表会の“リクエスト発表”が行われた。
正副委員長

              <全国大会奨励賞受賞>

“5本指ソックスで転倒予防 ~履物で人生は変わる~”
芦別市 特別養護老人ホーム 芦別慈恵園
発表者 和田 くらし事業部長さま

芦別慈恵園“いつまでも元気に暮らして欲しい”という施設のモットーを地域の方にも提供するといった考えの取り組みの中から「もみ塾」の取り組み等を紹介。
毎月の研修の中から、歩行は足や指の形状が重要である事がわかり、全ての利用者の足元を調査。そのデータを基に、床にきちんと力が伝わる様、5本指ソックスの使用や毎日1分ほど足の指の体操等を初めとする取り組みを各ユニット毎に実施。その取り組みの振り返りから、チーム力の大事さ等々、様々な気づきも得られた。そしてこの施設の取り組みを地域に出向き、市民の方々にも実践してきた取り組みと成果について報告された。


               <全道大会優秀賞>


“自立支援介護による認知症ケア その実践と考察
~修復された家族との繋がり~”
女満別町 特別養護老人ホーム 女満別ドリーム苑
発表者 園生 介護主任さま、辻 介護係長さま 

女満別ドリーム苑老施協主催 「介護力向上講習会」でおなじみの“自立支援介護”に基づいたケアの提供を通じ、身体の健康的な回復と共に、入居当時にあった認知症による問題提起行動が消失した事例の取り組みを紹介。
アセスメント結果より4つの課題別ケアプランを立案し、他職種連携によるケアを実施。身体機能の改善が認知症状の改善を導き、そして元々の主の生活が家族とのつながりと共に回復された内容を報告された。





“人生の最後は聖芳園で... 
  看取り介護を通して学んだそれぞれの介護とは ”
北広島市 特別養護老人ホーム 聖芳園
発表者 畑中 主任ソーシャルワーカーさま

聖芳園“人生の最後は病院ではなく聖芳園で迎えたい”入居者・家族の希望に対し、職員の思いがきっかけに 聖芳苑での看取り介護を他職種連携にて実践していった取り組み等を紹介。
入居者への最後の支援として、個々別にニーズを確認し、できる限り応えていった。ただ初めての取り組みに当然スタッフには疑問や不安など課題が起きる。その内容に一つひとつ対応方法を協議決定して実践する他、“ただ看取りをやるだけが本当の目的なのか“、という気付きから、入居者個々が望む最後の迎え方を伺い、提供・支援していく形に変えていった事。
また看取りを終えた後、ご家族に思いを確認していく他、例えばお盆の法要の際にお誘いし、聖芳園との繋がりを継続したことで、その後も地域での活動や施設へのボランティアに来て頂けている等、看取りケアを通じて様々な気づきや効果が生まれた等の報告がなされた。



“法人とかおる園の理念に基づいた3つの取り組み”
新十津川町 特別養護老人ホーム かおる園 
発表者 本田 係長さま、平山 さま  

かおる園「支える人」「支えられる人」も元気で明るく生活ができる、“明るく豊かな地域社会”を作るという法人の基本理念に基づいた取り組みの内容。
地域の方から無償譲渡された民家を、利用者と一緒に利用しやすい様に作り上げた“上杉さん家(うえすぎさんち)”を活用し、利用者のその人らしい暮らしを支える取り組みの他、学生等の人材育成、更には町民とのコミュニティを構築する中核施設として、朝市や災害訓練を初め多くの取り組みを町民と一体となって企画実施し、支え合うまちづくりを実践した内容を報告された。

大変参考になる4施設の取り組み、どれも素晴らしい内容で、報告終了後も会場からも大きな拍手で応えておりました。


  広報委員 谷越