午後からは、主に施設を中心としたトータルケアの内容について研修が行われた。
当初からP3170027ユニットケアに取り組んできた施設において、10年程前から利用者の健康保持や重度化及び認知症の進行といった状態像に変化が観られ、従来の古いやり方では対応が難しくなってきた処から、当研究会活動を通じてトータルケアを構築・実践。  その柱となるものは“ICF”がベースであり、この6分類の項目をしっかり調査して“利用者の状態を、他職種協働で総合的に把握しケアをする”であった。
他職種の各視点による日常的な観察を統一した記録シートに現在進行形で記録。そして過去から現在までの他職種の記録から体調悪化の兆候を捉え(リスクの予測)、利用者の状態が悪くならないため、予防的なケアを実施していく。そして実施した事の効果の有無を、記録からみて数的に的確に把握して行くといった一連の流れを、今回は“水分”“BPSD(行動障害)”の二つのテーマに絞り、解説していった。

P3170025またトータルケアを行う上で、観察、記録、検討がしやすくなる“総合記録シート”を紹介。利用者の1週間や24時間の状態把握に必要な情報が1枚に記入されていく内容で、他職種協働の推進ツールとしても活用できる。

そして、BPSDの要因を身体、精神、環境と、その内身体的要因を更に9つの項目に振り分けた“認知症カンファレンスシート” の活用を例に上げ、取り組みについて説明されたほか、スタッフの育成と人材確保について、初級、上級、リーダー研修といった育成システムの説明の他、当研究会がまとめ作成した基礎介護50(実勢には60項目以上)”について紹介された。

sbarまた、米ワシントンDC州 プロビデンス病院の看護師研修で紹介している、わかりやすく相手に的確に伝える手法である「SBAR(エスバー)」を事例を紹介しながら説明した他、ケアプラン作成に関るポイント等を解説された。

最後に、泉田先生より「ケアの世界は深い。その深さを存分に味わって頂きたい。勉強することはたくさんあるけど、勉強すればするほど利用者の役に立ち、笑顔を引き出せる。自分の勉強したことが直接人の笑顔に結びつくといった仕事ほど楽しい仕事はない。これからもしっかり勉強して、利用者の笑顔につながる仕事をしてもらえれば。まずは自分たちの実施出来る所から取り組んで下さい。」とエールを贈られて、受講者も拍手で応えられていた。

“トータルケア”並びに今回紹介された各種シートや“基礎介護50”等を、下記よりダウンロードすることができます。その他、様々な情報や全国会員施設の取り組み等の記事も紹介されております。

・日本のケアをよくしよう!全国高齢者ケア研究会 泉田照雄のブログ
 http://izumidateruo.cocolog-nifty.com/

 

広報委員のひとりごと

今回の研修内容もさることながら、長年に渡り泉田委員長を中心に、全国の先進施設を初め300余りの会員施設により体系化していった“トータルケア”を導入している施設の中には、年間平均稼働率が99%以上の所もある。起きてしまってからと後手に回るのではなく、その先を推測して起きる前に予防する事、更にはその体制が出来ている証でもあろう。
時代の時流に乗りながら、的確な情報等の基、できる事から始めて進めていく。既にスタートは切られている事を私たちは実感しなければならない。


 広報委員 谷 越