去る平成28年3月17日、札幌市/北農健保会館で全道から60名を超える参加者の中、「老人福祉施設管理者スキルアップ講座」が開催された。

P3170007今回は、全国高齢者ケア研究会・研究委員長 泉田 照雄 さまを講師に招き、「施設・在宅の重度化に対応した最新ケア=トータルケアの基礎理論とケース記録」と題して講義が行われた。
当研究会が提唱する“トータルケア” とは、全国のユニットケア先進施設の多様な実践を基に研究会員と共に開発してきたもので、現在または将来の入居系事業所利用者の要介護度上昇に対応した「重度化対応型ユニットケア」とも呼ばれており、現在当研究会に300以上の施設等が会員として登録されて、この取り組みを実践している。

最初にこのトータルケアの導入をスムーズに行うための、“ケア運営システム(記録のツールと方法)”、“スタック育成システム(介護の知識50、エルダー制他)”、“ケアプランシステム(調査、作成、評価のツールと体制)”3つのステップで構成される「トータルケア・プログラム」の紹介と、当研究会がこのケアの作成に取り組んだ背景について、利用者の状況や国の制度政策の流れを基に説明。
また、これまで厚労省が発表してきた通達やガイドライン等を基に、医療保険と介護保険サービスが施設・在宅共に中重度者重視に舵が切られた事と、これからの軽度者に対する事業対応として、デイサービスを例に上げ、各事業所が今後事業を展開する上で国が報酬に評価してくる事業の内容と、それを支えるツールの一つである「トータルケア」の有効性について、ケースを紹介して説明された。 当初は施設ケアを中心に作られたものだったが、在宅でも認知症や重度化等々が進み、このトータルケア等を用いながら“伴走型ケアマネジメント”を実践している事業所も増えてきている。

P3170022午前講義の後半に移り、今後国は要支援から要介護度1、2程度まで総合支援事業への移行を検討している中、デイやヘルパー事業の利用介護度別占有率の、正にその要介護度の方々がその中心となっているのが現状である。

その事から、軽度から中程度の方が、長く在宅で暮らせるため医療と介護の連携の基、他職種協働によるシームレスなサービスの提供体制を整備した地域社会を実現するために、今後の地域展開をどう取り組むべきのかについて、既に美瑛町や鷹栖町、大分県国東市で実践している各事業所のケースを基にそのポイントと進め方を説明、砕けたわかりやすい説明の他、小休止の間も、参加者が講師に個別に話しを伺うなど熱心に聴講されていた。


  広報委員 谷 越