小雪が舞う寒さ厳しい札幌で、本日は老人福祉施設長研究セミナーが開催されております。

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※高室先生の講義

介護を地域で支える・予防する仕組みづくりを進める上で、老人福祉施設の地域における役割は今後益々大きくなって参ります。本セミナーは、「介護予防・日常生活支援総合事業」の本格施行に向け、最新の中央情勢は勿論、サービスの核となる人材育成まで幅広く実践的な内容となっておりますので、会場のガーデンパレスホテル札幌よりその一部をお伝えいたします。


中央情勢報告
報告者 瀬戸 雅嗣 (全国老人福祉施設協議会副会長・北海道老人福祉施設協議会会長)

社会保障改革の基本的な考え方から、二割負担の拡大や軽度者サービスのあり方など今後の議論の方向性について、事業者は基より利用者にも大変厳しい内容であり、注視していかなければならない。また、急遽示された「新三本の矢」における介護離職ゼロについては、特養等の入居施設を増やすことに捉われず、老施協としても既存施設の増床や介護職員の離職ゼロにも積極的な取り組みを行っていきたい。これからも各事業所において介護の現場から声をあげ、地域づくりに貢献していくことが使命であると報告を終えた。


講義1「地域包括ケアシステムを支える新しい福祉の人材育成」
講師 高室 成幸 氏 (ケアタウン総合研究所所長)

団塊の世代が75歳となる2025年に向けて、様々な社会保障制度改正が行われている。地域包括ケアシステムを構築する上で、最も課題となっているのは、その担い手である人材だ。現場の人材不足への対応と並行し各事業所は、20〜30年後も見据えた将来的な戦略も考えなければなりません。その為に大切なのは、変化を恐れず常に新しいものに挑戦するソーシャルイノベーションによる経営スタイルではないか。地域では長命化、認知症、独居特に男性の問題など、困っている高齢者が大勢いる。積極的に地域に出ることが、新たな利用者確保につながるばかりか、共感した住民がスタッフとして働いてくれるかもしれない。また、人材を採用する上で注意して欲しいポイントや、定着・育成におけるマネジメントについて、いくら人がいなくても採用してはいけない人もいますよと、面接のシートを用いて丁寧なご教授をいただくことができた。

講義2「介護予防・日常生活支援総合事業と老人福祉施設が着目すべき点について」
講師 岩名 礼介 氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部社会政策グループ長主任研究員)

地域包括ケアシステムとは何か?人口減社会を前提とした場合、これから起こる地域の様々な課題を「量」でクリアすることは現実的ではない。「質」を高めることが重要であり、個人も事業所も地域もアップグレードしていかなければなりません。特にそのプロセスで重要なのは「統合」だ。地域や制度上、バラバラになっている資源をまとめていく仕組みが「統合」である。連携によるコストを抑え、地域住民が主体的に活動ができるよう側面的な支援が、介護施設には福祉拠点として求められていきます。地域を巻き込み、地域に開かれた施設として、その持てる専門職のノウハウを地域に活用していただきたい。施設の中にある特養ではなく、地域の中にある特養として、まずは地域を知ることを大切に取り組みましょうと講義を終えました。

広報委員のひとり言
どの講義も興味深く、とても引き込まれる内容でした。まさに前人未到の高齢社会が迫る地域を前に、その使命を果たしていくことは勿論、地域ニーズにクリエイティブな発想で応えていかなければなりません。そして何よりも人材・仲間の大切さを改めて感じました。スタッフと一緒に共有したかった高室先生の採用面接に関する書籍を早速購入。採用におけるノウハウの詰まった実践的な内容が、すごくおすすめですよ。

広報委員 市川