次の講演Ⅱでは「基調報告」と題し、全国老人福祉施設協議会 副会長 太田 二郎 様より、介護人材の確保について講演がなされた。

太田副会長講演現在職員の確保は介護の現場のみならず、製造業や運輸業を初め様々な業界でも人材不足が深刻化している。
その課題を検討する上で、まず実状を理解することが必要であり、最初に介護人材の現状を説明。

全国の介護職員数は平成25年度で170万人以上と、平成12年より3倍以上に増えている。正規および非正規職員の構成率は全産業と同様に6:4であるが入退職の入れ替わりが激しいのも特徴で、勤続年数も全産業の平均が12.1年に対し、福祉業界は7.1年と短い。

また福祉は資格を要する職場であるが、無資格者と比較すると月給に差が生じ、結果平均勤続年数も半分以下と短い。これらの事から、事業所はキャリアアップや研修派遣等、資格を奨励する仕組みづくりと長く働ける環境つくりを通じ昇給の機会を増やす事が、全産業との給与差問題を解決するポイントである事を説明。併せて介護報酬も平均給与に現れている事から、全国老施協も国にこれからも働きかけていく必要を話された。

その他、介護の仕事を選んだ理由と辞めた理由の内容から離職予防の検討ポイントについて、2025年に向けた総合的・計画的な人材確保対策、技能実習制度への介護職種の追加について等を説明。

そして、その結果を基に、介護職の悪いイメージが流布される状況で、介護職員を採用するためのグラウンドを確立していく必要があるとし、一例として情報伝達のツールを紹介。愛知県老施協の21世紀委員会のバックアップのもと愛知県で作成された、20代の若者を対象としたスライド集『愛知県・名古屋市の今』を基に、アンケート結果に基づいたイメージ戦略のポイントや方法について説明された。

愛知県老施協ホームページ : http://www.airokyo.com/


広報委員のひとりごと

これからの福祉や介護を考えると、様々な情報から“不安”が生じてしまう。
ただ、必要のない事であれば“不安”は生まれず、生まれるという事は何かしら理由があるからでしょう。
人間が“不安”を感じるのは、先を“予測”する力があるため。そして“予測”はその者が持つ“これまでの経験(キャリア・事例。データ等)”“未来を想像する能力”の、この二つに基づき生まれるものである。
そして、“不安”と“予測”を照らし合わせ“行動計画”を作られ、“解決”に向け実施される。
しかし、これまでの経験により得た情報が偏ってしまう事で“弊害“が生じる事もある。
今回の二つの研修は、テーマはもとより、こういった事も深く考えさせられるものであった。


  広報委員 谷越