研修2日目は、北海道老人福祉協議会 会長 瀬戸 雅嗣様による、“中央情勢報告”が行われた。

最初に“社会福祉法人を取り巻く環境”と題し、社会福祉法人制度の改革と福祉人材の確保の促進等社会福祉法等の一部を貝瀬する法律案の内容を説明。社会福祉法人における経営組織の在り方や財務規律がどの様にみ直しされようとしているのか、求められる地域公益活動を実施する責務の考え方とその内容について、営利企業等では実施が難しく、市場で安定的・継続的にに供給されrことが望めないサービスを、低所得者に対し低額又は無料により供給する事業の実施が求められ、またそれを社会福祉法人の責務として位置づけるとした。

瀬戸会長また財務省の動きとして、“骨太の方針”に基づき、去る4月27日に開催された財政等審議会の内容から、これから第7期に向けた財務省の具体案を説明。保険給付の見直しとして生活援助、今期に地域支援事業に移行した予防給付、住宅改修や福祉用具貸与・販売を原則自己負担とし、更に予防給付は勿論のこと要介護1,2への介護給付も、地域支援事業に移行との改革案を打ち出した。更に個人の収入条件を見直しして2割負担の拡大や2号被保険者の総報酬制の導入なども挙げられ、第7期も更なる介護報酬をマイナス改定とした上で、これらの改革が実現できなかった場合、更に大幅抑制も、と案を示している。

次に第6期介護報酬改定の対策について施設種類ごとに説明の後、施設の現状と課題について説明を致した。その中で地域包括ケアシステム時代における期待される役割として、1)ソーシャルワークを活かした専門的支援機能の強化と、2)入居者はもとより地域で暮らす高齢者等も対象として、社会生活上の課題の解決を支援し、3)各関係団体等と連携を汲み、地域福祉のフロントランナーとして中心的な役割を担う事が求められている事を説明、養護老人ホームにおいては伴奏型支援と地域移行を促進するための出口支援の強化について、軽費老人ホームやケアハウスにおいては、低所得高齢者への支援を主要な役割としながら、特定施設化を含めたケア機能重視による要介護高齢者や社会的援護を必要とする高齢者等への支援、これらを地域のニーズに合わせ実施していく事が期待されると説明された。
そして、私たちの施設がある地域に対しソーシャルワークやコミュニティワークを通じ、どう地域を支えていくかが求められ、地域貢献の中で社会福祉法人の存在意義を示し、選ばれる施設づくりに努めていかれるよう、エールを送られた。


広報委員のひとりごと

1日目の研修で神田講師から、相手への良き支援を行うためには、まず自分たちが幸せとなり心にゆとりが持てる様になる必要があると述べられた。幸せの尺度には個人差があるが、確かにそこから生まれる“心のゆとり”は全ての仕事を行う上でも必要なものであろう。
しかし2日目の瀬戸会長の研修の冒頭で“介護職員の教科書問題”を紹介された。中学校や高校の教科書の中で、介護職員の仕事について取り上げられており、大きく写真にはその説明として、介護の仕事は労働がきつく、賃金が高くない、多くが非正規職員等々の内容が記載されていたとの事である。神田講師の講義内容にもあった、余りにも決めつけで現実とかけ離れた解釈をされている内容である(当然全国老施協を初め各団体が協力して、この問題に対処されているとの事であるので、今後に期待したい処である)。
しかし、教科書にこの様な文章を載せているにも関わらず、第7期は更なるサービス抑制と介護報酬の減少を財務省は打ち出した。
ある医師がブログの中で言っていた言葉を思い出した。「福祉」から「不苦死」に、という言葉を。


  広報委員 谷 越