研修後半は、幾つかのテストを実施しその結果に基づき気づきを学んだ。

最初に、2人組による実験を通じ、NLPの代表システム(VAKモデル)について実施。
人は外部のものを理解するときや、内的なものを思考するときにも 5つの感覚を使っている。これらのことを代表システムと呼び、視覚 (Visual)聴覚 (Auditory)触覚 (Kinesthetic)の3つの感覚の頭文字をとって、VAKと呼ばれ、コミュニケーションのギャップを生み出しているもの、そして、コミュニケーションでの意思の疎通を円滑にするものである。
いくつかの質問に回答し、自分または相手がコミュニケーションで話の内容を認知する時、3つの感覚の中でどれが一番強く働くかを確認(=優位感覚)。その結果に基づき、自分及び相手の有意感覚のタイプに合わせた方法または対話をする事で、学習効率が向上したり円滑な対話ができる、といった内容であった。
神田先生2次の実験では、その人の表情ではなく顔の各パーツがもたらす第一印象の影響について実施した。
お互いの顔を観察し、一番インパクトの強い顔の特徴グループを選ぶ。その後の解説でそこから与える思われやすい性格の第一印象を説明し、第一印象が悪くとられやすい方はその事をしっかり認識し、日頃から笑顔でいるとか口角をあげるなどイメージを良くすることで、相手との対話しやすさが変わる事を説明された。

3つ目の実験では、言葉から来るイメージについて、心理分析の実験を行った。5つの男女を簡単な言葉で紹介し、その方々の性格や心理、家庭の状況、その人の将来の予測がどういったものかを想像して回答するテストを行うと、そこまで説明されていないにも関わらず、皆一様にネガティブで同じような回答が出されていた。この結果より、私たちは言葉から来るイメージで、相手を決めつけてみている事はないかと指摘。そこからステレオタイプ、ハロー効果、初頭効果(第一印象)、対比効果、寛容効果の説明を実例に基づき紹介し、対人認知のゆがみのリスクについて解説された。

最後に、顧客からのクレーム対応について講義がなされた。対応のマニュアルは各施設ごとに作成されている場合は、それを活用される事も良いが、マニュアルfだけではイレギュラーの際に対応方法がないケースがある。そういった事も踏まえ、以下2つの公式に基づくクレーム対応の効率性について紹介された。 
1)相手の話にはすぐに謝罪するのではなく、まずは最後まで話しを聞き、最後に要点をまとめ相手に内容や感情を確認する(受容・Feed back)。
2)相手が何を、どうして欲しいのか、なにを行いたいのかを質問する。


この2つを行い、2)の内容と施設側の提案事項との折り合いについて交渉を行う方法である 。この公式を基本に相手側の段階ごとの心理状態に対し、施設側がどの様な対応が適切な解決に繋がるかを説明された。

軽快で笑いと興味を引き出す講義の内容に、終始参加者の皆さんも熱心に受講されておられた。

  広報委員 谷 越