科学的介護実践講座『介護力向上講習会』は、全国老施協において平成16年度より過去10期にわたり開催され、介護保険の基本理念のひとつ「自立支援」を実現するために、根拠にもとづいた“科学的な介護”のひとつとして『おむつゼロ』を目指そうと始まった科学的介護実践講座である。

1.科学的で専門性の高い介護

2.利用者の自律性とQOL向上を支援

3.高齢社会の専門職としての社会的認識の確率

を目指し、今では全国各地で開催され、北海道分校は今年で2回目の開講となる。
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北海道分校の講義は全6回開催されることとなっているが、本日(1216日)第4回目の講習会は、国際医療福祉大学大学院 教授 竹内孝仁先生から2回目の直接講義となっている。今回は参加24施設全6回通しての受講者48名に加え、竹内孝仁先生の講義がある本日は特別聴講として39名が参加し計87名の受講者が新たな『おむつゼロ特養』を目指そうと札幌市に参集した。

また、北海道で既に『おむつゼロ』を達成し、継続している特別養護老人ホーム『女満別ドリーム苑』と『和幸園』が助言者として参加している。

本日は過去3回の講習後、受講者は自施設に戻り、入居者の水分摂取量、下剤使用の有無、排便場所、おむつ等使用の有無を調査した結果報告を行った。特に排便場所がトイレであるにもかかわらず、おむつ使用をしている方については、トイレ誘導のタイミングが合わない、少しずつ何回も排便があるなどの問題があるが、水分摂取量と下剤使用が排便タイミングを掴みにくくしていることが考えられる。また下剤の使用については、高齢者の直腸の感受性や大腸の蠕動運動を低下させ、腸の神経が麻痺し、かえって逆効果。食物繊維(高水溶性・高発酵性のものに限る)や乳酸飲料などを上手に使用し排便コントロールができるようにしていかなければならないと助言とポイントをわかり易く説明いただいた。
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そもそも排便コントロールは、食物を摂取する時のコントロールから始まる。実際に口腔機能の三役(咀しゃく・だ液・舌運動)を学ぼうと受講者にクラッカーを使って咀しゃく状況を改めて確認。さらに通常のリンゴと刻んだリンゴの咀しゃく回数を比べてみると、刻みの方が咀しゃく回数が増えるだけではなく、口の中で刻んだリンゴがバラバラで食べにくく、その残渣物が気管に入っていくリスクも高い。つまり食形態が安全重視で軟食化することで咽せ込みが増えることもあり、肺炎を起こすリスクのひとつであるとのことなど、実践を交えて教わった。
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これらは講義のほんの一部であるが、これからの地域包括ケアシステムの確立のためには、自立した生活を支援する地域の体制を構築ことが重要である。高齢者施設が地域福祉と介護の中核拠点として進化を遂げるべく、受講者は時に厳しい言葉をかけられながらも竹内教授の貴重な講義をひとつも聞き逃さないといった面持ちで受講していたことが印象的だった。


              広報委員 寺井