12月1日(月)の午後1時から開催された養護老人ホーム勉強会は、開会挨拶のあと2施設からの研究発表会でスタートしました。
まずは、黒松内町にある緑ヶ丘老人ホームの支援員の匂坂舞美さんから『爪をきりましょう』というテーマでの発表がありました。
足の爪が伸びていたり不揃いで異常があった場合、転倒するリスクが2倍になることに着目。5月下旬ごろから毎月【2】の付く日を『爪の日』として、職員はもちろんのこと利用者さんにも爪切りに対する意識付けを行ってきました。
6月中旬ごろ介助浴時に、利用者さんの足の爪の状態をチェックし効果の確認を行ったところ、爪が伸びていたり不揃いの方は大幅に減少。職員も利用者さんも爪切りへの意識と知識が高まり、職員は爪切りを援助することで利用者さんと接する時間が増え、利用者さんの状態をより把握できるようになりました。爪以外にも他の部分の整容にも気づけるような波及効果が見られています。
次の発表は、函館市にある永楽荘 副主任支援相談員の越中幸紀さんから『被虐待高齢者の受け入れについて~地域包括支援センター及び市町村との連携強化について~』というテーマで、長男から虐待を受けている利用者さんの事例を発表していただきました。 虐待からの分離を目的に定期的にショートステイを利用し、身体的な安全の確保と精神面での安定をはかりました。 函館市と地域包括支援センター、警察との連携協力のもとご本人の強い希望により同居再開したものの、後に再び長男の虐待が発生し緊急ショートステイを利用することに。 ご本人は、虐待から逃れたいと思う恐怖心を抱きながら、長男が改心してくれるとの期待を持ち自立してくれることを願っていました。 結果的には、緊急ショートステイを利用した約1か月後に緊急措置入所となりました。 このことを通して、緊急ショートステイの受け入れ体制を強化することができ、行政や地域包括支援センターとの連携を強化することができました。合わせて、「健康づくり教室」などを通してセーフティーネットの役割の啓蒙活動にもつながりました。 親子の信頼関係の再構築を今後の課題として、行政を介しての定期的な情報交換や、親子の心境の変化への対応について模索していると締めくくりました。 1日目後半は、5名から6名で10グループに分かれてのグループワークを行いました。 予めディスカッションしたいテーマを選択した上でグループ分けをし、希望テーマについて話し合いました。 1 精神疾患への関わり方について 2 重度化・認知症について 3 経営・制度について 4 他職種との連携について