軽費老人ホーム ケアハウス藤花さんの発表

認知症高齢者への支援に向けて
      ~ケアハウスでの生活支援を考える~


認知症は我が身に迫るかもしれない恐ろしい病気、入居者に限らず誰もがそう思うことである。

私たち高齢者介護に従事する者であっても正確に認知症を理解しているだろうか・・・。しかも高齢者にとっては「認知症」という言葉は知っていても、メディアからの情報だけでは不安や恐怖心だけが先走りしているのではないか・・・。これがこの取り組みのはじまりだった。


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それまでは、「もし自分が・・・」という入居者の不安と、職員はその不安に配慮するかのようにその話題を避けてきたように思う。しかし入居者同士の認知症の方への攻撃的言動や否定的な傾向は少なくない現状であった。

このような中、入居者の皆さんに認知症を正しく理解していただくためにどうしたらいいのか、何から始めたらいいのかを検討した。


1つ目に、認知症についての正しい知識の提供として、入居者・職員一緒に勉強会を開催したところ、「もっと詳しく知りたい」という意見から、「認知症サポーター養成講座」を開催した。つまり、入居者全員が認知症サポーターであるということになる。


2つ目には、早期発見と治療のために個別相談を実施し、物忘れ外来の医療機関情報を提供したところ、自らまたは家族と一緒に受診、その結果を自ら公表し、また次の入居者も受診するというように連鎖が起こりほぼ全員が受診した。当然、認知症と診断された方も少なからずいるが、その結果を自らの判断で公表したことで、認知症サポーターである他の入居者も偏見を持たず、周囲が温かく見守っている良い関係が保たれるようになった。同時に、認知症の方自身が前向きに「生きる」力を取り戻していくことができることを職員が学んだ。


3つ目には、「豊かに暮らしていける方法」として、オープンに生活を楽しみ、地域の中で暮らす環境づくりを考えた。在宅ではできないケアハウスの「強み」を活かし、生活支援の在り方について見直しと工夫ができた。


発表終了後、話を伺いました。

入居者は、今までできていたことができなくなる病気に不安を抱き、失敗を恐れて人とのかかわりを持たず、早期発見ができず症状が悪化する。勉強会を開催したところ、もっと知りたいという入居者に対し、正しい認知症の情報を提供するために職員が全員キャラバンメイト養成研修を受講し、入居者にサポーター講座を開催したそうです。また「認知症という診断を受けた入居者の反応はどうでしたか?」と尋ねたところ、4名の方は逆に明るく生活するようになったとのこと。ここまで約1年、「老い」を正しく知り、職員は「施設イズムから脱却」し、入居者自身が「互助」という意識改革が生まれたことで、今後より前向きな「生活支援型ケアハウス」になりたいと話されていました。

養護老人ホームにおいても、正に同じような実態があり参考にさせていただくことがたくさんありました。


             広報委員 寺井