全道老施協は7月10~11日、「平成26年度全道老人福祉施設研究大会」を札幌市中央区のホテルポールスター札幌で開催した。社会福祉P1010269法人の在り方が厳しく問われる社会情勢の中、これからの時代を勝ち残るための経営と専門性の高い高品質サービス創造をテーマに、道内130施設から222名が参加。白熱した講義に耳を傾けている。


基調報告
全国老施協 総務・組織委員長 太田二郎 氏
 
  1日目の講義に先立ち、老人福祉を巡る中央情勢や諸課題について太田委員長より基調報告を受ける。「まずみなさまに緊急提言をさせていただきたい」と、5月に開催された税制調査会で、民業への圧迫などを理由とし介護事業についての社会福祉法人の非課税措置を見直すべきとの見解が示されたことについて、低所得者を守るセーフティネット機能などその成り立ちを含め民間業者との違いから、断固として反対していくと、イコールフィッティング論先行による課税への動きを非難し、強く警鐘を鳴らした。また、誰もがうらやむ介護の仕事を目指し、新成長産業における雇用づくりを担い高品質介護に取り組む挑戦型社会福祉法人になってほしいと訴えた。



講演Ⅰ 地域包括ケア時代の勝ち残る社会福祉法人経営

日本福祉大学福祉経営学部 教授 田島誠一 氏

P1010267 これからの社会福祉法人が目指すべき方向性について、社会福祉制度の潮流から地域包括ケアシステムまでの流れを丁寧に辿り、内部留保問題や社会福法人の在り方を巡る議論から、制度内サービスにだけに目を向けないことと、今日的課題である新しい貧困や生活困難者の孤立などに積極的に取り組むことが、社会福祉法人に寄せられている期待である。社会福祉法人は、制度の狭間のニーズや市場原理では確保できないニーズに対応すべく、①地域包括ケアシステムの中核的機能を果たす、②対応困難なケース、ソーシャルワーク機能を生かした対応、③新たなサービスの創造(イノベーション)、に取り組み、施設運営という狭い考えではなく、地域を見据えた法人経営を行い、地域にとって無くてはならない存在になることが勝ち残るための戦略であると、マネジメントのプロセスを交えながら伝えた。


講演Ⅱ 介護プロフェッショナル~キャリア段位制度って…?~

内閣府 政策統括官付参事官補佐 西村誠明 氏
 
  キャリアアップの仕組みを構築し、介護職員の定着と新規参入を促進することを目的に、介護キャリア段位制度が平成24年度に立ち上げられ、全国11都道府県・12会場で評価者(アセッサー)講習を開催、現在3003名が合格している。「わかる(知識)」と「できる(実践的スキル)」の能力評価を実施し、1~7までのレベル認定を行うが、5以上のプロレベル認定については当面実施しないと、段階的な導入を図ることについて説明がある。来年度から段位認定者の目標を、年間で2万人程度と見込み、事業所における導入支援策などについての説明を受けた。


P1010259  また、会の冒頭に平成26年度公益社団法人全国老人福祉施設協議会「感謝表彰」が行われ、
永きにわたり老人福祉に貢献された85名の被表彰者を代表し、特別養護老人ホーム秀寿園 澤田芳理様が全国老施協 松本敦副会長より感謝状を授与され、「ご利用者のみなさまの生活をお支えすべく、引き続きがんばります」と謝辞を述べられています。

広報委員 市川