1月24日に平成24年度老人福祉施設長研究セミナーが開催されました。当日は130名を越す参加者があり、2名の講師をお招きし、それぞれ講演をいただきました。

講演Ⅰ
『自衛する老後~介護崩壊を防げるか~』と題して、東京福祉大学客員教授 元毎日新聞常務取締役 全国老人福祉施設協議会理事の河内孝氏にご講演をいただきました。
DSCF3195
河内氏は、元ジャーナリストという豊富な経験と知見から、現在の国の政策を現場目線でとらえ、現場(施設)にとって何が必要かを教えていただきました。
少子高齢化がすすみ、高齢者を取り巻く環境が大きく変化していく中、私たちがその変化に対応していく為には、「自衛」すると言うことが必要として

具体的には
・国施策に惑わされず、対策(自分たちに何ができるか)を考える
・現場と制度にギャップがあれば、時には(現場から)声を上げる
・ピンチをチャンスに変える発想を持つ

がポイントであると提言されました

情勢が変わるのを待つのではなく、地域における施設の役割を見つめなおし、「今、自分たちに何ができるか」という事を考える機会となりました。






講演Ⅱでは、『介護人材難時代のスタッフ確保と育成に向けて』と題して、社会福祉法人四つ葉会 特別養護老人ホーム元気の家 施設長 山中慎太郎氏にご講演いただきました。

山中氏からは自らの経験と実践から、「この施設で働きたい」と思われるための人づくり・職場作りの実践とノウハウを教えていただきました。

山中氏は、多様性のある介護の分野では、まず、働く職員が理念を共有する事が重要で、働く職員はその理念の意味をよく理解できるように工夫する事が大切であるといいます。

元気の家では、手帳をつくり理念を分かりやすい言葉で解説。行動基準にも職員が間違えやすい場面をあえて上げることにより、本来の職員の行動・あるべき姿を明確にしていました。
人材の獲得については『合同就職説明会』の開催、内定者が「ここに勤められて良かった」と思ってもらえる『内定通知』など、求職者の目線に立った取り組みがされていました。

他にも、人材育成、リーダーに向く人向かない人、リーダー育成など、短時間ではありましたが、ここではご紹介できないほどの実践を理論的かつ具体的に、分かりやすくお話いただきました。




今、介護の現場で直面している課題がテーマであった事もあり、お2人のご講演を参加者の方々みなさん、熱心に聴いておられました。

講師の皆様ありがとうございました。
また、ご参加いただきました皆様、大変お疲れさまでした。



広報委員  尾上健介