北海道老人福祉施設協議会広報委員会のブログ

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2017年09月

平成29年度 認知症介護実践リーダー研修が始まりました


 蒸し暑さが残る秋晴れのここ札幌で9月26日から平成29年度認知症介護実践リーダー研修が開催されています。

今年度は研修内容が改正され、ケアチームにおける指導的立場、ケアチーム作りの習得にさらに重きを置いた内容の本研修。今年度は全道各地から38名の参加をいただきました。この研修は9日間の講義、自施設実習、まとめ発表まで約2ヶ月に渡る内容、緊張感あふれる初日午前の講義の様子をお知らせします。

 前半は、特別養護老人ホーム鷹栖さつき苑 波潟幸敏施設長による、「認知症介護実践リーダー研修の理解」と題して、チームにおける認知症ケアを推進する実践リーダーの役割と研修科目との関係性を踏まえての研修概要の把握。研修参加者の実践リーダーとしての自己課題をグループワーク等で確認し、この研修における学習目標を明確にするという講義でありました。
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 後半は、北広島メンタルクリニック 穴澤龍治院長による、「認知症の専門的理解」と題して、認知症の原因となる疾患別の中核症状と行動・心理症状(BPSD)、認知症治療薬や行動・心理症状(BPSD)に適応する薬物の主な作用と副作用、認知症の原因疾患毎の特徴を踏まえた上でのケアのポイントや留意点についての講義をいただきました。
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 グループワークを重ねるごとに緊張感が少しずつほぐれ、さすがはリーダー研修、話し合いの場面では意識の高さが感じられた初日となりました。38名全員が体調を崩さず修了証を手にできるよう頑張ってください。

広報委員 村山
 

第37回 老人福祉施設研究発表会 2日目 特別講演

 老人福祉施設研究発表会2日目は、「アサーション・トレーニング ~自分も相手も大事にするコミュニケーションの方法~」と題して、えな・カウンセリングルーム代表 IPI(総合的心理療法研究所)特別研究員の森川早苗氏を広島県からお迎えして講演していただきました。
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 アサーションとは、自分の欲求・気持ち・意見・価値観などを率直に、正直に、その場に適切(相手との関係性で変化)に表現することとされている。そして、それを適切に表現するためには、自分が言いたいことが明確になっている、伝えるためのスキルがあるということが必要となる。アサーション・トレーニングというのは、上手に伝えるためのスキルトレーニングと言われているが、自分が言いたいことは何かということも含めてステップバイステップで行っていくことである。本来は、ベーシックトレーニングでも2日間かかる内容であるため、今回はエッセンスを少し理解していただければと説明されていた。

1.今アサーションが必要とされている背景としては、
①多様性の時代を生き抜くために(当たり前だったものが時代と共に変化し、自分の常識は相手の非常識、それぞれの価値基準を確認しあう必要性)
②メンタルヘルス不全予防のため(精神的な健康は、個人よりも組織の問題としての捉え。助け助けられる関係性の構築)
③よりよい人間関係を作り、職場の活性化のために(忙しさによるコミュニケーション不足・不全、上下関係や力関係を抜きにして話し合える関係性の構築。パフォーマンス(問題解決の課題機能)とメンテナンス(フォローや労いなどのケア)のパワーバランス)
④事故の予防のために(相互コミュニケーションができないと事故が起こる、指示が伝わっているか確認しあう関係性)
⑤心身ともに健やかに人生を送るために(自分が気持ち良く働けないと虐待などストレスをぶつける傾向、ワークライフバランス=働くことと愛すること)
⑥燃え尽きないために(援助職は困っている人がいると自分が辛くても相手を優先する傾向、自分を大事にしながら他者を援助することが大事)。
特に援助職(医療教育福祉など)は、他者の話は聞くが自分のことは言えない傾向にあり、そのためアサーションの重要性が言われている。

2.アサーションとアサーションではない言動の違いとしては、
 ①自分のことを後回しにして、相手を優先する:ノン・アサーティブ
  例 上司は手伝って欲しくても、相手が忙しそうだから頼めず自分でやる
    部下は、上司から頼まれたら個人の用事があっても言わずに引き受ける
 ②自分を優先し、相手を軽視、無視する:攻撃的 
  例 上司は手伝って欲しいことは押し付ける
    部下は上司からの頼みを無理ですと断る 
 ③自分のことをまず考えるが、相手を十分考慮する:アサーティブ
  例 上司は部下に手伝って欲しいことの事情を説明しどうですか?と聞く
    部下は用事があるけどこの位なら大丈夫ですと答える
ノン・アサーティブな言動が続くと、鬱憤がたまり身体に影響したり、離職に繋がったり攻撃的な方向に変わる可能性がある。また、上司にはノン・アサーティブに対応していても、部下には攻撃的など関係性によって変化しやすく、その関係は弱いものへ向かいやすいため最終的には虐待などに繋がっていく。ノン・アサーティブな言動は、いい人だと思われたい、関係を壊したくないなど相手への配慮を考えすぎ自分がどうしたいかということがわからなくなるなどが要因とされている。
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3.アサーティブになる道
 ①自分を大事にする(利用者の権利は考えるが、自分の権利はあまり考えていない。自分を大事にしないとパワハラをされても気がつかない、気がつかない人は人にパワハラをしても気がつかない。人権という柱を持っている人は信頼される上司となる、「人権」という核をしっかり持つこと。)
 ②認知を変える(物の見方を変える。対人援助職の特徴的な「べき」は大事だが、他の人と同じではないということを念頭にまずは聞いてみる。違いを受け入れ歩みよると豊かになっていく。話を聴く、話をしあえる関係性をどう作れるかが重要)

最後に、人はみんな違う、違うことは間違えではない。自分も心地好く生きるということは、自分の思っていることを伝え、相手の思いも聴くことであると締めくくられた。

難しい内容の講演ではありましたが、森川先生は具体例を出しながら理解を深められるよう解説されており、参加者も隣の方と話し合いをしその意見を発表するなどあっという間の2時間の講演となりました。

広報委員 村山

第37回 老人福祉施設研究発表会 優秀発表者を報告します!

8月30日から開催された第37回老人福祉施設研究発表会の、各分科会ごとの優秀発表者の、表彰式の模様を報告します。
受賞者各審査員






 =第1分科会=

『デイサービスに必要な生活行為向上リハビリテーション』
鷹栖町デイサービスセンターはぴねす
理学療法士 大矢 敏之 様
講 評 : 北海道デイサービスセンター協議会 会長  西川 雅浩  様

はぴねす大矢氏2
デイサービスの中でICFの心身機能に対する訓練といった切り口ではなく、活動参加に視点を置いた生活行為向上のためのリハビリテーションとして、利用者と一緒にパークゴルフ場を作る作業活動を行った。
一見関係なさそうな中、パークゴルフ場の建設と入浴との共通項目を抽出し、リハビリメニューとして、これらの建設活動をADL改善に繋げるという取り組みは、デイサービスの他のメニューにおいても、どの様な日常生活の活動に繋がるかを考えて体系化できるかを示しており、今後はその効果の検証と結果について期待したい処である。


=第2分科会=


『ご利用者様の生活の質の改善 ~元気になった私が外出で得た事~』
特別養護老人ホーム 女満別ドリーム苑
介護リーダー 佐藤 元 様
講 評 : 北海道老人福祉施設協議会 副会長  波潟 幸敏 様

ドリーム苑佐藤氏2
施設に入居後も利用者に元気を取り戻して以前の様に暮らしたいといったニーズに向き合い、施設長を先頭に他職種が一丸となって自立支援介護を提供して一定の成果を上げた事に感服した。
特に秀でた点として、入居当初からかなり精度の高いケアプランを立案し、3か月ごとのPDCAサイクルを展開。8か月後には要介護度が5から3まで改善したスピード感。そして各領域に係るケアの理念や方向性を職員全員が共有一致された中、利用者中心の見事なケアが実践されているチーム力。そして主に施設で実践されている自立支援介護を、在宅の中重度化に備えるためノウハウや考え方をPR等広報活動で広めている点が将来性に優れている、以上の理由より満場一致で優秀賞としたところである。


=第3分科会=

『汚名返上!!~介護職員から始める個別排泄コントロール~』
特別養護老人ホーム かおる園
介護職員 仲村 悠希 様
講 評 : 北海道老人福祉施設協議会 副会長  加藤 敏彦 様

かおる園仲村氏2
“下剤ゼロ”を目指すという分かり易い目標を立て、水分や食事、下剤の使用料等を綿密な資料を基にプランを立案。介護士、看護師、栄養士、医者そして家族を交え、科学的根拠のもと3か月ごとのPDCAサイクルにより取り組んだ結果、どう変化し改善していったかについての内容を高く評価した。
今後の課題としては、現在も継続的に取り組んでいる処から、QOL向上の視点より、今回改善を目標に提供した例えば玄米が、その利用者にとってそれ自体の味や食感といった好き嫌いについて確認了解でき、またそれ以外のものも個々の嗜好にも考慮したものが提供できたかという点である。さらに状態の改善がみられた利用者が、今後どういったQOLを求められるのか、それにどう応えられたか、という所
                まで踏み込んでいく事も、ぜひ期待したい処である。

=第4分科会=

『最後まで特養で看取るということ ~苑内葬儀という選択肢~』
特別養護老人ホーム コスモス苑
生活相談員 新井 元規 様
講 評 : 北海道老人福祉施設協議会 研修委員長  川邊 弘美 様

コスモス苑新井氏2苑内葬儀は今後特養に求められていくものと思われるが、その声に応えて行こうという姿勢、本当に介護を超えて更にその先まで施設全体で取り組んている体制について、非常に分かり易くまとめられた発表内容で、審査員の評価も高かった。
当分科会では4つの看取り介護を発表された。うち札幌市が2施設あり、4年前と2年前から始めたとの事。札幌市は200万都市で病院も多い処から今まで看取り介護をあまり多くは聞かれなかったが、最近では苑内葬儀までやらねばならない処まで来ていると感じた処である。平成18年から看取りはあったが札幌市以外でもアンケート等を実施しニーズの把握と対応について取り組みが方々に広がっていっている事も今後に期待できる事と思われた。


= 閉  会  式 =

閉会のあいさつを、北海道老人福祉施設協議会 副会長 加藤 敏彦 様より頂きました。

加藤副会長2
今回の発表内容について、各分科会の審査委員からお話を伺った。結果表を見ると、どれも2位以下の差がほとんど1点差と僅差であり、内容としてはどれも遜色ないものであった。
また今回の講演の内容にも触れ、施設の中では利用者との関わりを、タイトな業務の中で見出すことが大変難しいが、例えば「これからお話ししましょう。」と考えるのではなく、何かを利用者と一緒に行う時に、時間と空間を共有している中でお話をする、といった視点を変えて考えていく事が有効かつ双方のコミュニケーションに繋がる事かと思われると述べられた。


今回は180名を超える方が参加頂けた。来年は全国老施協主催の研究発表大会が札幌市で開催される。全国から2,000人以上の方が北海道に来て発表される。ぜひみなさんも地元開催の有利を活かして、たくさんの発表を出して頂き、全道老施協のみなさんの力を全国に示して行きたいと思うので、各位協力をお願いし閉会のあいさつとされ、会場も大きな拍手で応えられてました。
今回参加されましたすべての皆さま方、本当に2日間お疲れさまでした。

広報委員のひとりごと

今年も2日間、大勢の方々が全道から集い開催された本研究発表会。毎年様々な切り口の取り組みを発表され、聞くだけで参考になることがたくさんあった。確かなことは、たとえ最初は主観的な仮説であったにせよ、それを客観的な視点で科学的に検証し実践することで、確実に効果を実感でき、周りへの説得力も高まる事である。どんどん進化する発表の内容に、期待と尊敬の念を抱いた。

 広報委員 谷 越



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