北海道老人福祉施設協議会広報委員会のブログ

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2014年12月

平成26年度介護力向上講習会【北海道分校】

科学的介護実践講座『介護力向上講習会』は、全国老施協において平成16年度より過去10期にわたり開催され、介護保険の基本理念のひとつ「自立支援」を実現するために、根拠にもとづいた“科学的な介護”のひとつとして『おむつゼロ』を目指そうと始まった科学的介護実践講座である。

1.科学的で専門性の高い介護

2.利用者の自律性とQOL向上を支援

3.高齢社会の専門職としての社会的認識の確率

を目指し、今では全国各地で開催され、北海道分校は今年で2回目の開講となる。
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北海道分校の講義は全6回開催されることとなっているが、本日(1216日)第4回目の講習会は、国際医療福祉大学大学院 教授 竹内孝仁先生から2回目の直接講義となっている。今回は参加24施設全6回通しての受講者48名に加え、竹内孝仁先生の講義がある本日は特別聴講として39名が参加し計87名の受講者が新たな『おむつゼロ特養』を目指そうと札幌市に参集した。

また、北海道で既に『おむつゼロ』を達成し、継続している特別養護老人ホーム『女満別ドリーム苑』と『和幸園』が助言者として参加している。

本日は過去3回の講習後、受講者は自施設に戻り、入居者の水分摂取量、下剤使用の有無、排便場所、おむつ等使用の有無を調査した結果報告を行った。特に排便場所がトイレであるにもかかわらず、おむつ使用をしている方については、トイレ誘導のタイミングが合わない、少しずつ何回も排便があるなどの問題があるが、水分摂取量と下剤使用が排便タイミングを掴みにくくしていることが考えられる。また下剤の使用については、高齢者の直腸の感受性や大腸の蠕動運動を低下させ、腸の神経が麻痺し、かえって逆効果。食物繊維(高水溶性・高発酵性のものに限る)や乳酸飲料などを上手に使用し排便コントロールができるようにしていかなければならないと助言とポイントをわかり易く説明いただいた。
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そもそも排便コントロールは、食物を摂取する時のコントロールから始まる。実際に口腔機能の三役(咀しゃく・だ液・舌運動)を学ぼうと受講者にクラッカーを使って咀しゃく状況を改めて確認。さらに通常のリンゴと刻んだリンゴの咀しゃく回数を比べてみると、刻みの方が咀しゃく回数が増えるだけではなく、口の中で刻んだリンゴがバラバラで食べにくく、その残渣物が気管に入っていくリスクも高い。つまり食形態が安全重視で軟食化することで咽せ込みが増えることもあり、肺炎を起こすリスクのひとつであるとのことなど、実践を交えて教わった。
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これらは講義のほんの一部であるが、これからの地域包括ケアシステムの確立のためには、自立した生活を支援する地域の体制を構築ことが重要である。高齢者施設が地域福祉と介護の中核拠点として進化を遂げるべく、受講者は時に厳しい言葉をかけられながらも竹内教授の貴重な講義をひとつも聞き逃さないといった面持ちで受講していたことが印象的だった。


              広報委員 寺井

ユニットケア研修フォローアップ研修2014(北海道ユニットケア推進協会主催)

北海道ユニットケア推進協会主催の「第6回ユニットケア研修フォローアップ研修2014」が、2015年1月23日に札幌市教育文化会館で開催される予定です。
詳細につきましては開催案内を参照ください。

北海道老施協 事務局

養護老人ホーム勉強会 その2

2日目は、奈良県にある養護老人ホーム聖ヨゼフホーム施設長 平岡 毅 講師による『養護老人ホームにおける職員さんの立ち位置とまなざしについて!~明日からの支援・関わり・携わりどきへの学びとわかち~』がテーマの講義がありました。
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冒頭、前日から引き続きのグループに分かれて、【笑顔とうなずきの“60秒”のわかち!】と題し、5秒で自分の紹介(施設・職種・名前)、50秒で昨日の研修で学んだこと・印象に残ったことなどの感想、最後の5秒で一昨日食べた晩御飯の内容を相手に伝えるグループワークを行いました。
その中で聞く側の姿勢について、
【笑顔で大きくうなずくことが話し手に対して『聴いている』ことの意思表示になり話し手が話しやすくなる。
話しやすくなることによって話し手の言葉が流暢になり、カンファレンス時間の短縮に繋がり、忙しい業務の中でも施設内研修実施の時間を作ることができる。】
「今日は、日々忙しい業務の中で施設内研修の時間を捻出するための技法として、グループワークでの一人の持ち時間〔1分〕にこだわるよ。」との平岡先生の話を受け、参加者は〔1分〕を体内に刻み込むようにグループワークに参加していました。
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最後の平岡先生からの課題は、『100円玉・10円玉・5円玉の表裏を描いてみよう!』でした。
いつも見ている小銭。でもいざ描くとなると、「100円玉って何が描いてあったっけ?花?草?」「10円に建物描いてあった?平等院鳳凰堂?はどんな形??」「5円は穴空いてることしかわからない」と、各グループから声があがりました。平岡先生も参加者の描く小銭を見て「北海道って通貨違うの?まだ紙幣しか流通してない?」「それ平等院じゃないよ。犬小屋。」「5円は表も裏も穴空いてるから貫通させてね。」、なかなか難しいものでした。
「ほぼ毎日お会いしている利用者さんにも「○○さんのこと分かってるよ」と言ったことないですか?利用者さんは「あんたが私の何を知ってるの?」と思っていますよ。私たちは見ているようで見えていないことが多いです。」と、平岡先生。

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 「自分は対人援助の“専門職”であることの確認と把握と理解が不可欠であり、利用者の心の自立(自律)を支える援助、その人を知って、その人らしさを知り、【生きる】を丁寧に支えて欲しい。」と締めくくりました。



以上



追記

 以前掲載したタウンミーティングの記事の中でも「軽費老人ホームが話題に上がらない」と触れましたが、養護老人ホームも措置施設ということもあるのか地域住民はもとより自治体職員も制度を熟知した方が減少しているとのこと。

 全国老施協では、【措置控え・措置離れ・措置しぶり】を解消し必要な方に養護老人ホームを利用してもらえるよう、養護老人ホームのパンフレットを作成しています。どなたでもダウンロードできるようになっておりますので、ぜひご活用されることをお勧めします。
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北海道老施協 事務局


 


 


 

養護老人ホーム勉強会 その1

121日(月)の午後1時から開催された養護老人ホーム勉強会は、開会挨拶のあと2施設からの研究発表会でスタートしました。


 まずは、黒松内町にある緑ヶ丘老人ホームの支援員の匂坂舞美さんから『爪をきりましょう』というテーマでの発表がありました。

足の爪が伸びていたり不揃いで異常があった場合、転倒するリスクが2倍になることに着目。5月下旬ごろから毎月【2】の付く日を『爪の日』として、職員はもちろんのこと利用者さんにも爪切りに対する意識付けを行ってきました。

6月中旬ごろ介助浴時に、利用者さんの足の爪の状態をチェックし効果の確認を行ったところ、爪が伸びていたり不揃いの方は大幅に減少。職員も利用者さんも爪切りへの意識と知識が高まり、職員は爪切りを援助することで利用者さんと接する時間が増え、利用者さんの状態をより把握できるようになりました。爪以外にも他の部分の整容にも気づけるような波及効果が見られています。


次の発表は、函館市にある永楽荘 副主任支援相談員の越中幸紀さんから『被虐待高齢者の受け入れについて~地域包括支援センター及び市町村との連携強化について~』というテーマで、長男から虐待を受けている利用者さんの事例を発表していただきました。

虐待からの分離を目的に定期的にショートステイを利用し、身体的な安全の確保と精神面での安定をはかりました。

函館市と地域包括支援センター、警察との連携協力のもとご本人の強い希望により同居再開したものの、後に再び長男の虐待が発生し緊急ショートステイを利用することに。

ご本人は、虐待から逃れたいと思う恐怖心を抱きながら、長男が改心してくれるとの期待を持ち自立してくれることを願っていました。

結果的には、緊急ショートステイを利用した約1か月後に緊急措置入所となりました。

このことを通して、緊急ショートステイの受け入れ体制を強化することができ、行政や地域包括支援センターとの連携を強化することができました。合わせて、「健康づくり教室」などを通してセーフティーネットの役割の啓蒙活動にもつながりました。

親子の信頼関係の再構築を今後の課題として、行政を介しての定期的な情報交換や、親子の心境の変化への対応について模索していると締めくくりました。


1日目後半は、5名から6名で10グループに分かれてのグループワークを行いました。

予めディスカッションしたいテーマを選択した上でグループ分けをし、希望テーマについて話し合いました。

1 精神疾患への関わり方について

2 重度化・認知症について

3 経営・制度について

4 他職種との連携について

5 施設での取り組みについての現状と課題

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その2 に続きます。

北海道老施協 事務局

 

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現場発信!タウンミーティング その2

ここからがタウンミーティングのメインとなる北海道からの課題提起と全国老施協との意見交換の場。

全国老施協 太田委員長の進行で以下の項目について話あわれた。

①サービス付高齢者向け住宅の状況と軽費老人ホーム・ケアハウスの影響について

②社会福祉施設の建て替えについて

③寒冷地暖房費について

④介護報酬改定について

⑤介護人材確保について



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①サービス付高齢者向け住宅の状況と軽費老人ホーム・ケアハウスの影響について

「軽費老人ホームは特養やデイサービスと同じ全国老施協の会員であるのに、地域包括ケアの中でも見捨てられているかのように名前があがってこない。研修会に参加しても、特養中心の内容となっているため研修参加の意義を見出すことができない、と会員施設から声が上がっている」と北海道老施協軽費老人ホーム・ケアハウス検討委員から提言があった。

 

他に、「軽費老人ホームの生活相談員は20%以上が有資格者であって、より高度な利用者支援を行えている自負があるので、サ高住の増加も脅威ではない。」「今後、重度化の利用者と軽度の利用者の支援のあり方について考えていかなければならない。」などの発言があった。

全国老施協 中田顧問は、「軽費老人ホームは一般有料の高齢者施設より厚い職員配置と特定施設として介護保険給付対象となるので有利。これからは、プライス(価格)、プレイス(場所)、プロダクト(生産)、何を売りに地域に示していくかを自分たちで検討していく必要がある。」とした。

 

②社会福祉施設の建て替えについて

昨年6月に改築工事が終了した札幌市の施設から「社会福祉法人に対して内部留保金を地域貢献に充てるようになってきているが、そうなると施設修繕に充てる資金が不足する」と発言があり、全国からは「他の都府県では改築して一部ユニットにした際、行政から不適切な指導があった。」と報告がなされた。

 

③寒冷地暖房費について

今年の3月に改築が終了した施設より、「改築の際にオール電化にしたため、二度の電気料金値上げで8,000万円ほど負担増となっている。利用者には事前周知し負担してもらっているが、当初想定した額の倍に増えてしまった。」との意見に、全国老施協からは「介護報酬では全国一律にしかならないので、冬季暖房を使用する北海道・東北のみの加算とはいかない。地域独自の問題は地域での対応となる。」との発言に対し、北海道老施協 深谷副会長から「介護保険の地域区分の考え方は、国家公務員の給与制度に準じているはず。公務員には寒冷地手当が適用されており、実費ではないが支給されている」と進言し、次回開催される介護給付分科会の地域区分の協議中で、話題に出されることで次のテーマに移った。

 

④介護報酬改定について

「北海道のみの問題ではないが、6%引き下げられるとほぼ全施設が赤字経営になる。特に通所事業は苦しい状況なので、全国老施協にはぜひ頑張っていただきたい。」との発言があった。全国老施協から「厚生労働省の経営実態調査は、収支差率で特養が8.7%、通所で10.6%となり、我々にとって非常に重たい結果となっている。

厚労省の調査結果は全国老施協で実施した実態調査結果と数値に開きがあり、東京都や福祉医療機構で実施した調査は全国老施協の結果とほぼ同じ数値となっており違和感を覚えるが、マスコミは厚労省の調査を取り上げる。全国老施協の実態調査についても今回の回答率が4割と低く、8割を超える回答率であればインパクトのある調査結果となり外部への調整の大きな材料となる。」と、今後の調査への協力要請を付け加えた。

 

⑤介護人材確保について

北海道老施協 三瓶会長は「人材が不足することは予想できたこと。人材がいなければ助けられる命も助けられなくなるので、国は思い切った対策をしなければならないのではないか。」とし、全国老施協 太田委員長は「全国どこに行ってもこの課題が必ずあがり、職員待遇の問題なのか、人口が減少しているためなのか、結論に行き着かない。人材が不足しているため、新設のユニットを稼働することができない事例がある。」とし、中田顧問が「全国老施協の人材確保対策は【若者を介護業界に導く】・【介護福祉士・社会福祉士の社会的地位の向上】の2本立てで動いており、合わせて職場環境の改善と処遇改善にも努めている。」と発言した。熊谷副会長は「外国人材を積極的に活用していくことも見据えなければならない。」と締めくくった。

参加者から多数提言があがり、活発な意見交換の場となった。


北海道老施協 事務局

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